交通事故の後遺症について

後遺障害について

交通事故による傷害が完治せず後遺症が残ることがあり、後遺症の程度によって「後遺障害」が認定されることがあります。「後遺障害」が認定されるときに、「後遺障害」の程度を示す「後遺障害等級」(14級から1級まで)も同時に認定されます。

後遺障害によって請求できるもの

「後遺障害」が認定されると、

1後遺障害慰謝料2後遺障害による逸失利益を請求することができます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、「後遺障害等級」に応じて金額が定められます。
以下は、大阪地方裁判所における基準です(平成14年1月1日以降の事故について)。

  1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
慰謝料 2800万円 2400万円 2000万円 1700万円 1440万円 1220万円 1030万円
  8級 9級 10級 11級 12級 13級 14級
慰謝料 830万円 670万円 530万円 400万円 280万円 180万円 110万円

後遺障害による逸失利益

後遺障害による逸失利益とは、被害者が後遺障害を負った場合に、そのために労働能力が低下したことによる収入額の減少のことをいいます。
「後遺障害等級」に応じてどれだけ労働能力が低下したかを算定し、症状固定後から67歳(年長者については67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長い方)まで収入額がどれだけ減額されるのか算定することになります。ただし、たいていの場合は将来にわたる逸失利益を一括して請求することになりますので、請求する額は逸失利益額の総額から利息を控除した額になります。
「後遺障害」によってどれだけ労働能力が低下したかは、下記の基準を参考に、障害の部位・程度、被害者の性別・年齢・職業、事故前後の就労状況、減収の程度等を総合的に判断して定められます。

  1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
労働能力喪失率 100% 100% 100% 92% 79% 67% 56%
  8級 9級 10級 11級 12級 13級 14級
労働能力喪失率 45% 35% 27% 20% 14% 9% 5%

後遺障害の認定について

後遺障害が認定されるか否か、後遺障害等級がいくらになるかによって、請求できる金額が大きく異なってきます。したがって、後遺障害(等級)の認定は、交通事故の被害者が、損害賠償を請求するにあたって、非常な重大な意味を持ちます。
後遺障害(等級)を認定するためには、まず医師に後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。ところが、後遺障害認定は保険金などを算出するためになされるものですから、治療をすることが本来の仕事である医師が必ずしも熱心に後遺障害診断書を書いてくれるとは限りません。
そして、後遺障害(等級)を認定するための重大なポイントの記載のないまま、後遺障害診断書が作成され、本来よりも程度の軽い後遺障害等級が認定されることもあります。
もっとも、後遺障害認定に対しては異議申立てをすることができ、後遺障害診断書が作成されても書き直してもらうことは可能です。
後遺障害認定の結果に納得いかない方やこれから新たに後遺障害診断書の作成を医師に依頼する方は、是非、当事務所へご相談下さい。

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